こんばんは アキラです
今日は夢見についてまとめていきたいと思います
概要
この本はカルロス・カスタネダという文化人類学者(当時は学生)によって書かれた
ヤキ・インディアンであるドン・ファン・マトゥス(彼の幼名は星を狩るもの)
との対話(教え)をまとめたものの一冊です
12冊ほどでているシリーズの中の1つで、主に『夢見』と『イーグル』についてまとめられています
この本に書かれている知識は膨大なものですが
今回は第二部『夢見の技術』より様々な情報をまとめていきたいと思います
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夢見の技術
夢見とは夢を意識的にコントロールすることです
その夢見を行うためには様々なテクニックが存在します
この章では主に著者であるカルロス・カスタネダと
仲間の女呪術師であるラ・ゴルダ(ニックネーム)との対話によって進められています
この章は小さく3つに別れています
1.人間のかたちをなくす
2.共に夢見る
3.意識の右側と左側
カルロス・カスタネダが人間の形をなくしたとき体におこったこと
まず冒頭はカスタネダが前身を圧迫する圧力や痛みを感じる描写からはじまります
ラ・ゴルダはそれに対して 「あなたがようやく人間の形を無くし、すべてといわないまでも大部分の盾を降ろしたのだ」と説明します
このときカスタネダに起きた感覚は 「いっさいの怒りが消え失せた」「超然とした気分を感じた」「その瞬間という時間にどっぷりはまり込んだ」「他のことがいっさい思考の中に入り込んでこない状態」「私にはどんな期待感というものもなかった 他人がなにをするかなどどうでもいいことだった 奇妙な穏やかさ支配しはじめた」ラ・ゴルダ曰く「超然とした態度を自分のものにした」ということです
この部分は重要そうなのですが、意味がよくわかりません
「ドン・ファンは超然性が、即知恵を意味するものではなく、むしろ有利性を意味するものなのだ」分かる方は是非コメントしてください
人間のかたちをなくすということの効果はもう1つあり
それは「超然性という望ましい感覚を手に入れることだけではなく、思い出すというとらえどころのない義務を果たすこと」でした
超然とした感覚をもつとさまざまな状況を把握し直す一瞬の時間がもてる、とも語られています カスタネダはこれによりメランコリックな気分を一瞬で変化させます
カスタネダはラ・ゴルダに対して「かたちをなくしても自己訓練ができていなければ、彼女のように性格の一貫性がなく感情の上下にふりまわされ、目的と行動の間に矛盾がみられる」と感じています ナワールが旅だった直後の戦士たちは決して完璧な状態ではない、ということが伺えます
夢見の状態
2人は夢見の技術を利用して同じ夢をともに夢見るという作業に入ります
ここでカスタネダは夢見に入るときの状態を4つに分類して説明します
彼によると夢見に入るためには4つの段階を経る必要があるようです
1.静的な不眠ー体は動かないが 五感は眠っているが、意識はハッキリと醒めている状態
2.動的な不眠ー静止した絵画のような光景を見る 3次元の絵が凍りついたような風景のこと
3.受動的な目的ーできごとのプロセスを観察し、目撃する 視覚と聴覚が一時的に働く
4.動的な活動ー自分が活動する ものごとを企てて、一歩一歩それをこなしてゆく
2人は夢見の中で過去に体験した出来事を完璧に再現できるようでした
むずかしい対人関係に直面して、楽な気分を抑えることはきわめて重要なことだともいわれています
夢見の本質的な表現
ここでカスタネダによってずばり夢見とは何かということが言葉で表現されています
「夢見とは、眠っているときにまだもっている意識の残りを夢の要素、ないしは特徴に集中させることによって到達する、独特な意識状態」だと彼は説明しています
第二の注意力の扱い
第二の注意力は意識の残りであり、しないことをとおして活動化、ないしは利用されます
「夢見へ至る本質的な補助手段は心理的な落ち着きである」
ドン・ファンはこれを『内的対話ととめること』『自分自身に語りかけることをしないこと』と表現していました
彼はカスタネダにこれを習得させるために、『視界の周辺部分に神経を集中させること』を訓練させていました 彼がこれを習得すると次にドン・ファンは『夢見に入ってく最高の方法は、胸骨の先端あたりに神経を集中させることだ』と説明しました 夢見に必要な注意力はこの辺りから出るのだといいます また、夢見の中で動いたり捜したりするのに必要なエネルギーはヘソの下3~6cm(原文では1~2インチ)のところから出るそうです 彼はそのエネルギーを『意志』または『選択し、集めるための力』と呼びました ここで意志という言葉がでてきます これは大変重要で難しい言葉なのでよく覚えておく必要があります ここで説明したことは男性の場合です 女性の場合はこの意志はヘソの下ではなく、子宮から出てくるそうです 子宮は女性の中心であるため、夢見がここから出てくるのだと ラ・ゴルダは説明します 女性が夢見をはじめたり、終わらせたりするためには、子宮に注意を向けるだけで良いといいます 彼女はたった2,3秒で夢見に入ることができるようです(本質的に女性の方が呪術に向いているともいえるかもしれませんね)
しないこととはどういうことなのか
先程『しないこと』という表現がでてきましたが、これは一体どういうものなのでしょうか しないことというのはそれが注意力を固定しているかぎり基本的にどんなことでもいいそうなのです ここでは2例のしないことがでてきますが、その内の1つは先日説明した ラ・ゴルダの枯れ葉を見つめるという修行でした もう1つはパブリードという男性の後ろ向きに歩くというものでした
夢見の姿勢
夢見に入るために姿勢も重要な要素の1つのようです
夢見に入るためには 「足を組んで座って、仰向けに倒れる」か
「足の裏をあわせて、太ももをマットレス等につけて座り、そのまま前傾して、額を足につくようにする」のどちらかが良いようです 1よりも2の方が効果は高まります 私はそんなに体が柔らかくないので、この夢見の姿勢は全くできていません
夢見の時間
夢見をこなすためにもっとも都合のよい時間は 早朝か深夜です
これは他の人々が眠っていることが重要で、世界に視線が少ないことが必要だそうです 彼らの存在そのものは邪魔ではないとも書かれています たとえ一人きりで過ごしていたとしても、彼らの注意力を固定することは阻止できないともいわれています
注意力の固定を阻止すること
注意力の固定を阻止することというのはどういうことでしょうか
まず人間は目覚めている時でも第一の注意力(普段の現実を固定している力)を利用して世界を固定しています その力が少ないときにだけほんの短い間呪術師はそれを逸らすことができると説明されています
夢見の世界で注意力を扱うことは現実の世界で注意力を扱うこととなんら変わりません
ドン・ファンは実際のところ現実世界で、私たちは不安定で混沌とした領域を秩序だったものに変えようとして、強い力で世の中の物に焦点をあわせている(あわせるように教え込まれている)と説明します
引き寄せの力
さらにここでもう1つ面白い説明が加えられます ドン・ファンは『第二の注意力はチャンスを招き寄せる働きもするのだ それを訓練すればするほど望む結果が得られる可能性が高くなる』と説明します 私たちは、注意力が偶発的なできごとや事故を招いているという事実に気がついていないと指摘します
飛ぶことを学ぶ
ラ・ゴルダは夢の中で空を凧のように飛ぶことを繰り返し練習しました(明晰夢の体験談などで有名ですね)
ここでかなり重要なことがでてきます それは「夢見を学んだ者にとって、覚えていられる夢はもう夢ではなく、夢見なんだ」ということです 夢日記などがなぜ重要なのかというと、この法則に従っているからではないでしょうか つまり夢を思い出すということは夢見を行っているということです
夢の中で訓練していること(この場合空をとぶこと)を十分にこなせるようになったとき、夢見るものは次の段階として、この動作を現実世界で繰り返し練習しなければならない。とされます カスタネダの場合はこの訓練はトラのように呼吸をすることで、チョコレート色の長い毛をもったサーベルタイガーに変身するということでした
大事なのは第二の注意力を固定するということ
夢見の中で大事なのは、現実の世界と同じように、世界を固定することです
夢は非常に曖昧で移ろいやすく、注意力が普通は全く固定されていません
そのため、夢見のなかで注意力を蓄積していき、世界を固定する必要があるのです
目覚めているときにいつでも夢見ができるように練習することで、夢見る体にかえることができる。ともいえるでしょう
夢見の成果となる具体的な現象
夢見を実践する上で、成果となるような具体的な現象があります
それは「夢見の中で自分の手をみつける」というものです
なにも手でなくても足でもなんでもいいのですが、意図的に自分の体を発見するということは夢見では大変重要なことになります
そして、自分の体を抜け出すという最後の課題に進みます
ここまでくると夢見は完全に現実世界を侵食しはじめます
夢見をするときの視点のコントロール
ここまでくるともはや第二の注意力は強くなりすぎています
特定の物体に集中して視点を固定することは避けなければいけません
そうしなければなにかに焦点をあわせたときにコントロールを失ってしまうからです
何を見る場合でも、チラっと一瞥するような視点の動かし方をしなければいけないようです
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終わりに
いかがでしたでしょうか この記事では半分くらいまで内容をまとめてみました
奥深い夢見の世界は、果てしなく続いていきます
今日ご紹介した内容で、1つでも学びになったことがあれば、大変嬉しく思います
後半は後日まとめていきたいと思います
ここまでお付き合い下さり、ありがとうございました